学校図書館に興味津々の40代4人の母(小学生~2歳)です。
神戸市の「講座 学校図書館入門」5回目・6回目の受講レポートです。
主観で印象に残った内容だけをご紹介しています。
ご理解ください。
講師 神戸大学大学院 人間発達環境学研究科准教授 目黒 強先生
この5回6回のテーマは
児童文学概論~選書を通した文化的多様性の保障~
でした。
児童文学の歴史から、現代の考え方まで、本当に大学の授業を受けているようで…

大学なら学生をここであてるのですが…
と、先生も気を遣われながら講義を進めておられました。
あててくれていいのに(=゚ω゚)ノ私だけ?
児童生徒が本を選ぶ理由

1位は「本の題名」
2位は「表紙」
題名や見た目の表紙はとても大切なことが分かります。
小5の長女も最近は文庫本に手を伸ばすことが多く、
好きな本『サキヨミ』や『1%』は表紙がこれ↓


挿絵も少女漫画風な、キラキラした感じが多いです。

これが、読みやすさにつながるんだな~
企業努力!!
子どもと本を結ぶこと=司書の役割
と講義の中でも何度も言われました。
本の中身だけでなく、見た目や手に取りやすさも重要!と感じました。

学校などにおけるマイノリティ
- 障害者
- 性の多様性
- 外国人生徒・児童
これらを挙げられ、文化的多様性の保障を学校図書館の選書によってサポートするという視点を教えていただきました。
受講者同士で意見を交わす時間で出た意見

当の本人は、自分のマイノリティに対する感じ方は様々。
十分な配慮が必要!

「ジェンダーやLGBTについて調べたい!」
という子どものリクエストに対して
「こんな本があるよ」
と知識を提供できる司書でありたいし、そんな本がある学校図書館が魅力的

トランスジェンダーなど、テーマが前に出てしまうのではなくて、その本の内容自体がおもしろい!子どもたちは、それほど問題視しないでその本自体を楽しんで読んでいる!
意見を交換し合えたことで、選書(本選び)から、多様性を考えることを知りました。
紹介されていた本
障害者理解
作者 | 題名 | 出版社 | |
マリア・ホセ・フェデラー文 | いっぽんのせんとマヌエル | 偕成社 | 2017 |
フワリ | アスペルガーの心 Ⅰ わたしもパズルのひとかけら | 偕成社 | 2012 |
品川裕香作 北原明日香絵 | なまけてなんかない!ディスレクシアの男の子のはなし | 岩崎書店 | 2017 |
村上しいこ作 神崎草子絵 | こだわっていこう | 学研プラス | 2018 |
ヨシタケシンスケ | みえるとかみえないとか | アリス館 | 2018 |

そっか!と思わされる視点!
工藤純子 | となりの火星人 | 講談社 | 2018 |
ウェスリー・キング | ぼくはO・C・ダニエル | すずき出版 | 2017 |
椎野直弥 | 僕は上手にしゃべれない | ポプラ社 | 2017 |
梨屋アリエ | きみの存在を意識する | ポプラ社 | 2019 |
性の多様性理解
宮本忠夫 | さらばゆきひめ | 童心社 | 2002 |
やまもとふみ | 理花のおかしな実験室① | 角川つばさ文庫 | 2020 |
ジェシカ・ウォルトン | くまのトーマスはおんなのこ ジェンダーとゆうじょうについてのやさしいおはなし | ポット出版プラス | 2016 |
七都にい | ふたごチャレンジ① | 角川つばさ文庫 | 2021 |
↑長女 既読!
神戸遥真 | ぼくのまつり縫い | 偕成社 | 2019 |
如月かずさ | カエルの歌姫 | 講談社 | 2011 |
長谷川まりる | お絵かき禁止の国 | 講談社 | 2019 |
上川あや | 変えてゆく勇気一 「性同一性障害」の私から | 岩波新書 | 2007 |
多文化理解
ピーター・スピアー | せかいのひとびと | 評論社 | 1982 |
いわねあい | ハワイ島のボンダンス | 福音館書店 | 2016 |
長谷川義文 | ぼくがラーメンたべてるとき | 教育画劇 | 2007 |
工藤純子 | はじめましてのダンネバードくん | くもん出版 | 2022 |

↑世界はつながっている…
あらた真琴 | 外国人だらけの小学校はツッコミの毎日でした。 | ぶんか社 | 2017 |
こまつあやこ | リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ | 講談社 | 2018 |
工藤純子 | セカイの空がみえるまち | 講談社 | 2016 |
シモン・ストランゲル/枇谷玲子訳 | このTシャツは児童労働で作られました。 | 汐文社 | 2013 |
本の紹介から
これはオススメ!先生が言われていた本。
『きみの存在を意識する』を読んでみました。

この本の登場人物は同じ中学校に通う二年生たち。語り手となる人物がお話ごとに変わっていく連作の短編集となっています。 作品順にいうと、ディスレクシアのグレーゾーンにいるひすい、女にも男にも分けられたくない理幹(りき)、書字の違和感により合理的配慮を求める心桜(こはる)、親と死別し養育里親の養子となった拓真、大人の期待に応えたい過食ぎみの小晴のお話です。 ほかに、人をいじりがちな華彩、外国人の曾祖母を知られたくない聡美、過敏症をわかってもらえない留美名やほかの中学生、家族や先生や変わった大人も登場します。あなたの周りにこの本のだれかに似た人はいましたか?
本書あとがきより
自分の中学校時代の生活や、勤めていたころのクラスの生徒や、我が子の授業参観などから、似た人がどんどん表れてきて…
登場する母親の発言や、先生の反応にドキドキして…
この本を通して他者理解や自分の考えを見直すきっかけになりました。
「中2病」では済まされない「合理的配慮」…
深いです。。。
中学生にも、大人にも読んでもらいたい一冊です!
最後に
これだけの本を紹介していただいただけでも価値のある、講義でした。
私の中で
「司書はどんな本のジャンルをも網羅している、本好きがなるべき」
という感覚があったのですが…
目黒先生は最後に、

一人きりないしは、一学校のみでできることは限られているので、いろいろな人や機関との連携・協力も視野に入れたいですね
と話されていました。

これなら得意❢
と思えました。
何事も抱え込まず、いろいろな人を巻き込める能力、大切ですね!!
5回6回の講義をまとめました。
その他の講義↓
最後まで読んでいただいてありがとうございます❣

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